独占欲
昼のあんたは、誰から見ても立派に見えるんだろう。
真っすぐに背を伸ばして、落ち着いた声で人に言葉を与えてる。
仕草一つとってみても、洗練されてるって言うのか。荒っぽくねえんだよな。
神様じゃなく、あんたの声が聞きたくて教堂に来るってやつも何人も知ってる。あんたは、穏やかに微笑みながら、そいつらが望むアスレイドでいるんだ。
……その姿を見てると、胸の奥がむず痒くなる。
誇らしい、って言ってもいいのかもしれねえ。
でも同時に、笑えてくる。
あの綺麗な手で、夜にはシーツをぐしゃぐしゃに握りしめて、声を潰して俺の名を叫ぶんだから。
奥で締め上げながら泣き笑いする顔。
言葉にならねえ濁った声。
誰も知らねえその姿を、俺だけが見てる。
……それが、一番気持ちいい。
抱かれてるときのあんたは、もう別人だ。
「だめだ」「壊れる」って繰り返して、涙で俺の胸を濡らす。
人前であれだけ澄ました顔をしてるやつが、俺の腰でしか人間になれねえって証明される。
それがたまんねえんだよ。
気持ちいいのは、奥でぎゅうぎゅうに締められる感覚だけじゃねえ。
壊れていくあんたを俺が独り占めしてる、その事実ごと、快楽になってんだ。
昼に凛として立ってる姿を思い出すほど、夜の崩れが甘くなる。
夜に泣き叫ぶ顔を見つめるほど、昼の微笑みが誇らしくなる。
……両方を知ってるのは、世界で俺だけだ。
その落差を俺のものにできるなら、何度でも壊してやる。
あんたの奥に俺を残して、俺の証でいっぱいにして、泣き声も笑みも、全部、俺だけのものに変えてやる。
昼と夜のあんたを往復するたびに、俺は自分の中の「気持ちいい」の形が狂ってくのを知ってる。
けど、もう戻れねえ。
あんたを壊して、あんたに壊されて、俺は初めて生きてるって、思えんだよ。
2025年9月25日