四神の御手にて作られし魂が、その御座に還ることを心より願う
――――アスレイド・シェルジュ・アルヴァリオ

名のない祈り

霧が薄くなる時間だった。
アスレイドは祈りを終えたあと、少しだけこちらを向いて微笑んだ。

「最近、一緒に住んでいる人がいるんだ」

そう言って、空を見上げたまま、

「ノイン君と言ってね――少し不器用だけど、とても正直な子で。
……僕が壊れないと思っていた部分を、ちゃんと壊してくれるんだ」

風が吹いて、彼の前髪がわずかに揺れた。
その笑顔が、少しだけ、名のない祈りに似ていた。

2025年6月26日