足りない
挿れた瞬間、ゾクッとした。
吸いつくような熱が、俺の先を迎え入れる。
ぎゅっと締めてきて、でも、拒む感じじゃない。
それがたまらなく、たまらなく興奮を煽った。
「……奥まで入ったぞ」
「ん……あ、うん……っ」
声が震えてる。
だけど逃げようとしない。
むしろ、こっちに腰を寄せてくる。
「……あんたン中、ほんとに俺のに馴染んできたな」
「あ……ノ、インく……っ」
その声も、泣きそうで、でも悦んでて。
ぐちゅっ、と奥まで沈めるたびに喉がひくついて、声が掠れる。
……もう、限界だった。
「……中に、出す。出すからな、逃げんなよ」
「うん……残して……全部、僕の中に……ノインくんの……」
その瞬間、奥で痙攣した。
熱が漏れた。
どくっ、どくって、勢いよく。
俺の精液が、アスレイドの中を満たしていく。
「……足んねえ」
呟いて、引き抜いて、扱いた。
先から迸った白濁を、今度は──背中に、肩に、腰に、腹に。均整の取れた奇麗な肢体を汚していく。
彫刻なんて呼びたくなかった。そんな高尚なもんじゃねえ。
俺だけが見て、俺だけが触って、俺だけが汚していい──そういう肉だった。
「ああ……あんた、綺麗だな……」
白濁が皮膚を滑る。
頬にも、喉にも、腿にも落とした。
わざとそうした。
俺が汚したって、どこから見てもわかるように。
「なあ、あんた……自分がどんだけ俺で壊れてんのか、わかってんのか?」
答えはなかった。
でも、瞳だけがこっちを見てた。
静かで、言葉もなくて、それでも──
口を開けさせて、先程注いだ残滓が残っていないか確認する。
「……ちゃんと飲んだな。……よし」
俺のが、何も残っていない、アスレイドの中に注がれたのを見てようやく安心する。
それだけで、いいはずだった。
そう思ったのに、どうして──
こんなにも、まだ足りねえんだろうな。
2025年7月7日