2026-01

かつての光_交わる前に紡いだ記憶

名(祈)

名を問われたとき、沈黙があった。それは迷いではなく、祈りが形を取るまでの時間だった。「アスレイド」口にした瞬間、空気が変わった。誰かが異を唱えるより先に、祈りが通った。それで十分だった。奉神官は何も問わず、書記は名を記した。中枢に刻まれる名...
影の祈り_語られない記録

尾羽

「鳥の尾みたいだね」ある日、アスレイドが言った言葉だ。白と黒が混ざった髪を、ノインは後髪だけ伸ばし続けていた。特に理由はなかった。ただ、背中に近い辺りが上手く自分で切れなくて。結局、肩甲骨の間の部分だけ伸びっぱなしだった。からかってるように...